エリコンは長い期間、フランス中央にある街、リモージュとリモージュ大学と関係を築いてきました。今、その関係が新たな局面を迎えました。この特集、セラミック研究所(IRCER、Institut de recherche sur les céramiques)で、私たちはディレクターのフィリップ・トーマス(Philippe Thomas)と溶射活動のヘッドであるアラン・デノイルジャン(Alain Denoirjean)に会いました。
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特集:セラミック研究所(IRCER)
エリコンは長い期間、フランス中央にある街、リモージュとリモージュ大学と関係を築いてきました。今、その関係が新たな局面を迎えました。この特集、セラミック研究所(IRCER、Institut de recherche sur les céramiques)で、私たちはディレクターのフィリップ・トーマス(Philippe Thomas)と溶射活動のヘッドであるアラン・デノイルジャン(Alain Denoirjean)に会いました。
IRCERの学際的アプローチにより、相補する研究領域から、様々な科学的の経歴(化学、物理、力学)をもつ研究者や教授によるチームができました。
1975年に設立され200名の従業員を持つIRCERの本社が、伝統的なエナメルと陶器の生産で世界中に知られている街、リモージュに本部を持つことは偶然ではありません。約15,000名の生徒は、IRCERの本部の一つである地元の大学に在学しています。もうひとつは国立科学研究所(CNRS: Centre national de la recherche scientifique)です。研究省の傘下にある研究所CNRSは基礎研究に力を入れており、約32,000名の従業員を持つ欧州で2番目に大きな研究組織です。
IRCERの近代的なビルディングはモータースポーツ向けハイエンドコーティングソリューションの専門家であるエリコンバルザースフランスから徒歩圏内にあります。IRCERには研究に対する4つの優先項目があり、その1つが表面処理です。フィリップ・トーマスは説明します。「私たちはリモージュ大学やCNRSとだけでなく、様々な産業のパートナーと協働しています。彼らは基礎研究の一部を私たちに契約ベースで外注しています。私たちは2つの企業と共同の専属研究機関さえ所有しています。
6月、一通のプレスリリースがメディアに送られました。「サフラン、エリコン、CNRSとリモージュ大学はフランス南西部にて表面処理向けの、共同研究ラボと技術プラットフォームを立ち上げました。」という見出し(次ページ参照)でした。参加パートナーの高位代表者は「パリ航空ショー」で当該契約にサインしました。その中心となる2つのプロジェクトは、共同研究機関であるPROTHEISと技術プラットフォームのSAFIRです。
フィリップ・トーマスとアラン・デノイルジャンにとって、これはIRCERとエリコン、そして航空分野のフランス、サフラングループとつながる、2つの長く続くパートナーシップの集大成です。「事実として、この2つのパートナーとの共同研究所は、私たちのが力を合わせて、私たちの研究を直接、航空宇宙産業へ持ち込むことが可能だということを意味しているのです!」PROTHEISは Technology Readiness Level* のTLR 1–4分野の基礎研究と技術革新のために、そしてプロジェクトパートナー専用として確保されています。」
一方SAFIR技術プラットフォームは研究対象に応じて、TLR 6 (定義: 運用環境でのプロトタイプ)までの範囲をカバーし、産業全体に開かれています。「これは、私たちが、コーティングを改良しながら、『販売可能な』研究を提供できるということです。これは私たちにとって必要不可欠なことです」とアラン・デノイルジャンは言います。彼の情熱は途切れることなく、2020年の第4四半期に新しいプラットフォームで働くことを楽しみにしています。「私たちはエリコンバルザースのINNOVENTA kilaやエリコンメテコの溶射システムを含む最新の装置を使うことができるでしょう。しかし残念ながら、新しい建物が完成するまで待たないといけません。なぜなら約1,000平方メートルの研究所とオフィスを計画しているからです!」
「これらの2つのパートナーとの共同機関は、私たちが力を合わせて、私たちの研究を航空宇宙産業へ直接持ち込むことが可能だということを意味していいるのです!」
そして、ここでは実際、どんな研究をしているのでしょうか?アラン・デノイルジャンは説明します「私たちは、航空宇宙分野の機能的制限について研究しています。たとえば、飛行機の重量を軽くするために使われている有機複合材料を、浸食や、落雷からどのように保護することが可能か探求したいのです。もしくは、Thermal Barrier Coatings(耐熱コーティング)はどのようにCMASの浸透から保護することができるのか。なぜなら、アルミノケイ酸カルシウムマグネシウム(CMAS)、および砂や火山灰はコーティングに浸透し、摂氏1,250度以上の温度に耐えなければならない飛行機のタービンの誤作動を引き起こすからです。しかし、私たちはまた、細かい粒子が、液体の補助のもと、表面に適応する方法を見つけ出したい。そして、最後に、溶射やPVDのようなプロセスがを組み合わせる方法も。そして私たちはこれらを、新しい装置とシミュレーション、モニタリング、テスト、そしてデータ処理とともに、プロセス診断をしながら行いたいのです。
エリコンの航空宇宙ソリューションは、ハイエンドコーティングと装置から最先端素材とアディディブマニュファクチャリングまで及びます。これにより、エリコンは世界的航空機産業にとって重要なパートナーとなります。エリコンフランスのプレジデントであるギル・ウィダウスキーは「私たちは部品に価値を付加することで、メーカーの価値を高めます。この共同研究によって、私たちは専門性と航空宇宙装置のサプライヤーの最大手の一つである企業の顧客、サフランのR&Dロードマップを組み合わせることが可能であり、飛行機やヘリコプターの未来を共同で進めていきます。」
共同研究ラボと技術プラットフォームでのパートナーシップ
サフラン、エリコン、CNRSとリモージュ大学は共同研究ラボPROTHEISと技術プラットフォームSAFIRを設立しようとしています。これら2つはサフランの表面処理の能力を拡張することを助け、欧州のREACH規則に準拠し、窒素酸化物の排出を削減可能な、軽量で長寿命の製品をつくることができ、現在も未来においてもあらゆる種類の航空宇宙のアプリケーションの要望に応えることが可能です。エリコンは、この共同研究により、既存の航空宇宙産業への強いサポートが、バリューチェーン全体に拡大することに期待しています。それは、産業界での競争力を高める最先端素材や、表面工学、そしてハイエンドの工業装置において、長年積み上げてきた深い専門知識でパートナーシップに貢献します。これから行われる研究は、サフランのR&D活動、エリコンとIRCERとサフランの要望よって、方向づけられていくでしょう。
* Technology readiness levels (TRLs) are a method for estimating the maturity of technologies. TLR 1–4 includes Basic Technology Research, Research to Prove Feasibility and may also include first steps in Technology Developments.
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