バルザーズ(リヒテンシュタイン)、エルケレンツ(ドイツ)、[2020年1月8日] – エリコンは、ダイアモンドコーティング技術におけるドイツのトップ企業D-Coat GmbH社を買収しました。今回の買収により、エリコンバルザースが持つ表面処理技術(特に、宇宙・航空および自動車産業で応用される切削工具向け)のポートフォリオが拡大することになります。
独 D-Coat GmbH社からエリコンバルザースに引き継ぎを。契約書に署名（左から右）:ウォルフガング・J・シュミッツ (リージョナルエグゼクティブ ヨーロッパ、エリコンバルザース)、ディルク・ブライト (D-Coat GmbH生産・開発部取締役)、オラフ・ ディートリヒ(D-Coat GmbH宣伝部取締役)、コリーナ・ハインツ（エリコン・バルザース) 、ウォルフガング・カルス (ヘッド・オブ・カッティングツール、エリコンバルザース)
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2006年設立の独D-Coat社は、長期間の運用において持続的に高い信頼性が求められる航空機、船舶、自動車、その他分野の構造体に使用される炭素繊維強化ポリマーのための切削工具向けダイアモンドコーティング技術のリーディング企業として認識されています。また、D-Coat社はこれらのコーティング用途において大手航空機メーカーが選ぶサプライヤーとしても世界的に認識されています。
「D-Coat社が持つ技術により、エリコンバルザースが提供するダイアモンドコーティング関連サービスがさらに強化されます。両社の専門性が融合されることで、同分野における当社の立場がより一層明確になり、テクノロジーリーダーとなることができます」と語るのは、エリコンのヘッド・オブ・ビジネスユニット・ バルザースインダストリアルソリューションMarc Desrayaudです。
「当社は、両社の技術力と専門性のシナジーを活用し、宇宙・航空、自動車、金型（ダイ・モールド）および他の産業において切削工具を求めるお客様に最高のダイアモンドコーティングソリューションおよびサービスをお届けしたいと考えています」とヘッド・オブ・カッティングツール エリコンバルザースのDr. Wolfgang Kalssは話します。「D-Coatは、米国と韓国のセンターに加わる、ダイヤモンドコーティング事業における4つ目かつ最大のカスタマーセンターとなり、ルクセンブルグのダイヤモンドコーティング・コンピテンスセンターのポートフォリオを拡大するものです。当社全体では、113番目のグローバルカスタマーセンターとなります」
D-Coat社は、熱フィラメントCVD (HFCVD)法を用いたダイアモンドコーティングを提供しています。HFCVD法を用いて作成したダイアモンドフィルムの蒸着は、コーティング表面、3Dベースボディ、および部品や金型、工具の内面のコーティングに最適です。工具やマシン、部品、電極に塗布した場合は、ほとんどの化学物質に対して優れた耐性を持ち、潤滑状態が悪い状況下においても低摩擦で、摩耗性物質との接触に対しても最高レベルの摩耗耐性を実現します。
今回の買収は、表面ソリューションポートフォリオを強化し、お客様により多くの価値を提供するというエリコンの戦略における一つのステップです。今回の買収により、D-Coat社は研究・開発および製造のグローバルネットワークを誇る、表面ソリューションのリーディング企業であるエリコンバルザースの一員となります。D-Coat社の日々の事業運営および顧客への対応は従来どおり同社の施設にて継続しますが、エリコンバルザースの一員として行われることになります。今回の買収合意は2019年12月に署名・締結され、両当事者は購買価格の非公開に同意しています。
「エリコンバルザース社の専門家とタッグを組むことができることを嬉しく思います」と、D-Coat社の共同設立者のDirk Breidtは言います。もう一人の共同設立者であるOlaf Dietrichが、「エリコンバルザースの一員となることで、切削工具向けのダイアモンドコーティング事業をさらに成長させることができます」と付け足します。
